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学問・資格

2018年7月31日 (火)

個の確立と共同体

群れずにいられない人

やぶなーすさんという人の作成したモーメントを読んで、いろいろ考えたことや思ったことを書きます。

やぶなーすさんの言及していることは、個が確立していない人は群れを作らなければ安心できない、また他者に憑依してトラブルを起こすということです。

まあそれについて掘り下げて考えることは今回しません。

私が言及したいのは、以前に『脳・戦争・ナショナリズム』という本に書いてあったことで、多くの人が誤解している認識について触れていたことです。

個が確立するとはどういうことなのか。

『脳・戦争・ナショナリズム』は中野信子、中野剛志、適菜収氏らの対談をまとめたものです。なかなか面白いのでオススメです。

脳・戦争・ナショナリズム 近代的人間観の超克 (文春新書) [ 中野剛志 ]


この本ではアメリカの社会学者、ディビッド・リースマンの見解を中野剛志さんが紹介します。

ざっくり言うと

日本人が集団に固まりやすいのは日本人特有の欠点だと言う話がよく言われます。しかしリースマンのアメリカに対する分析ではちょっと違った視点が見えてくる。リースマンは人を内部指向型、他人指向型などに分類します。

そこで内部指向型の人間とは個人的な人間のように思われてしまうかもしれませんが実は違います。内部指向型人間とは、所属する共同体の価値観を自分の中にしっかりと持っていて、それに従ってぶれずに動けるのだと。

そして他人指向型人間とは、共同体から切り離された個人だそうです。自分の中に確たる価値観を持っていないので、他人の振りを見て動くしかない。

そして、アメリカ社会はリースマンによるともはや共同体から切り離された個人が増えすぎて他人指向型で順応しやすい、流されやすい人が増えているということでした。

これって日本でよく言われていることって全然違いますよね。

なんだか共同体にとらわれないで自由になると個人が確立するかのようにともすれば誤解されがちですが、実は逆なんです。

家族、町内会、職場そして国家。

共同体のレベルはいろいろありますが、個人がしっかり確立して流されない人間になるためには伝統とか文化とかをしっかりと受け継がないといけないということです。

もし日本人が他人に流されやすい人が多いというなら、それは日本の家族とか地域共同体とか国家とかの枠組みが壊れたからですよ。

左翼とかがよく勘違いしてますが、日本とか日本人とかの枠組みにとらわれないようにすればもっと個人が確立するわけではありません。日本や日本人という枠組みを意識しないと流されやすい人間が出来上がるだけ。もっと集団主義になるんです。

多様な価値観を実現するためにも、日本という枠組みを大事にしないといけないわけです。

だいぶ変質しましたが、日本には国土があって日本人ながらの家族観があって、日本語を使い、日本語文化があり、元号を使い、日本型雇用や商習慣があるわけですから、大事にしないといけないわけです。

日本人には日本人として生まれただけで与えられた価値があるのです。




2018年7月 1日 (日)

香山リカは人を病気だと決めつけるな!

自称精神科医の支離滅裂
自称香山リカの主張があまりにも根拠薄弱なこと、思考の様式が支離滅裂なことを書いてきました。

以前に出版した「うつと言いたがる人達」も酷かったことなのも記事で触れておきました。
http://osaka-mirai.cocolog-nifty.com/blog/2018/06/post-7cd4.html
本についたアマゾンレビューは重要なのでもう一度引用しておきますね。

「同業者として、あえて書かせていただきます。

症状の程度やその質に違いこそあれ、あらゆるうつ状態で苦しむ人々のために。

僕は精神科医として週5日の外来診療をこなしており、おそらく立教大学の勤務とかけもちの香山リカ先生の「豊富な臨床体験」より遥かに多数の患者さんの診療にあたっています。

香山先生のうつ病についての本を読むたびに感じることは、「こんな患者さんは見たことがない」という違和感です。とくにうつ病を理由に好きな職場に移りたいと主張する患者さんがいて、ごね得になっていると指摘し、「モンスターペイシェント」と比較する下りには目を背けたくなりました。

僕はうつ病の患者さんの職場環境の調整にもあたりますが、「人気の職場」をあえて希望し、その願いがかなう、というケースにほとんど出くわしたことがありません。職場の環境調整に当たっては、職場と、職場の産業医、そして本人との十分な話し合いや意見交換を要します。もし復職後に職場が変わるなら、どのようなストレスが予想されるか、ということを入念に検討するのです。

人気の職場」を選ぶことができる心理的な余裕のある「うつ病」のかたは思い出すことができません。たいていは本人にとって心理的負担や責任の少ない職場に移ることになるからです。いったいどういう話し合いをしたら「人気の職場」に移ることになるのでしょうか。

本人が望むから「人気の職場」に移るなどということは、「うつ病」の養生の上からも望ましくありません。香山先生の精神科医としてのご経験はまったくもって不思議なもので、一般的とは到底思えません。「うつ病」の職場復帰にあたり、そのような「人気の職場」にうつるなどということは私の経験上、ほとんどないとはっきりいっておきます。

さらに言わなければならないことは、「うつ病」になりたがる人そのものも僕はほとんどお目にかかったことがありません。職場にそのような診断書を出すということはそれなりの勇気を要するものです。というのは、診断書が出たあと、職場はその人を再び責任のある仕事を与えたり、昇進させることに慎重にならざるを得ないからです。そういう立場に身をおくことを誰が喜ぶのでしょう。

患者さんは苦悩のあまり、それでも診断書を職場に出さざるを得ないのです。この本を読む限り、香山先生はそのような患者さんの葛藤や苦しみに想像力をお持ちとは全く思えません。香山先生は啓蒙活動のおつもりなのでしょうが、このような本を出すことは偽善であり、売名行為だと思います。精神科医のご友人もお持ちのようですが、皆さんだれも彼女に意見してあげないのですね。冷たいご友人のように感じてしまいます。」

同じ精神科医に、ここまでのことを言われるようではこの人はもう医師としての資質を著しく欠いた人間であると判断せざるを得ないのではないでしょうか?

アマゾンのレビューとして寄せられた意見だけでなく、他にも精神医療や学問に携わる方から香山の言動を疑問視する声を聞いています。

今回は香山リカの発達障害本ではなく、これまでの経歴や言動から香山リカがどのような人物なのか考えていきたいと思います。



まず、香山リカの大きな問題点は精神科医として、他社を心の病気扱いすること。



これはかなり以前の発言ですが、精神科医としての職業倫理は彼女にはないのでしょうか。
原発推進をすることは一つの考え方であって病気ではありません。あろうことか精神科医の肩書を持つ人が人を病気だと決めつけるならその時点で医師失格なのです。
本当に心の病気を持っている人にも失礼です。

本当ならとっくにメディアから締め出されていなければおかしいのです。


また、ある精神科医は言います。
「精神科医という職業の印象を著しく毀損した、テレビ御用達文化人です。この年齢で非指定医とか、仕事してない証拠」

とのこと。

精神保健指定医は精神保健福祉法が定めた資格です。医療保護入院や措置入院を行う権限がある重要な資格です。

ただの売名屋程度のものでしかありません。
診察もしていない人を病気だと決めつけるくせに、苦しんで自分は発達障害ではないかと感じて病院に行く人を馬鹿にするような本は出すんですね。

まったく腹立たしいです。



2018年6月30日 (土)

自称精神科医の支離滅裂

前回記事 自称精神科医の発達障害本が酷すぎた件
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/2056707/2063857/121472687

の続きなのですが、この本はやっぱり酷いです。
間違った知識や偏見もありおかしいのですが、何が酷いかというと構成が酷い。

文章が支離滅裂なのです。

知能が幼稚というのか、精神状態がおかしいというのか、とにかくまともな人が書いたとは思えない本です。

例えば
第5章には製薬会社が発達障害治療薬の市場を狙っているという節が入ります。
自閉症スペクトラムについては有効な薬はないが、ADHDには神経伝達物質の不足を補える薬があります、的なことを書いています。

そこからおとなのADHDに有効な薬を求めて診察室を訪れる人がいる、と続きます。

そこからメディアのプロモーションによって自分が発達障害であるかもと疑いを持ち薬を処方される人もいるはずだ、と主張する。

そして、それは一見いいことのように思えるが実はカナダ予防学会では子供に対して発達障害のスクリーニング検査をすることは推奨されていないのだ、と主張が続いていきます。


???

え?となりませんか?

私は本を読んでいて意味がわかりませんでした。

製薬会社が発達障害治療薬のシェア獲得を狙っている話から、大人で発達障害治療薬の処方を受けたい人がいると続きます。ここまではまあわかります。

それがなぜそこから子供に対する発達障害スクリーニング検査の是非になるのでしょうか?

まったく意味不明です。そこから大人の発達障害が疑われる人に薬を処方することの是非の話に流れていく意味がわかりません。

私の要約が下手だからわからないわけではないと思います。文章をそのまま引用しても自分で書いていた嫌になるのでしたくないのです。

178ページでこういう意味のわからない文章を書き散らかしながらも、ADHDには有効な治療薬があるとは一応書いています。
しかし、185ページ「発達障害には有効な薬物療法などがあるわけではないので」(本文から引用)ADHDの診断をする意味があまりないなどと書いています。

ちょっと前に自分が書いていたことも記憶から消えたのでしょうか???

しかも、脳の発達に厳密な検査をする装置などがないので発達障害かどうかが正確にわからないなどとこの本では繰り返しているのですが、
発達障害の検査を受けた時の話
http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/2056707/2063857/120633460
で書いたのですが、知能検査でもすれば顕著に発達障害の兆候が見られる人はいます。まあ微妙な人もいるにはいるのでしょうが、発達障害を検査で見極めることはある程度可能なのです。

私はかろうじて一般就労が可能なレベルの発達障害ですが、検査では顕著に発達障害の兆候が見られたので、先生は迷いなかったかと思います。

全体を通して、香山リカとか言う人は

発達障害の診断、治療にまったく無知無理解なまま本を書いているのではないか?

と思わざるを得ないような内容でした。

ほぼ無価値です。こんな人の本を読んでもまったく発達障害について理解はできないかと思われます。





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2018年6月26日 (火)

効率のみを追及したものは脆弱である

大阪で約1週間前に発生した大阪北部地震は余震も落ち着き、街は平穏を取り戻しつつあるようです。

被災の被害の多かった地域の避難所には要介護認定を受けている人がいたとのことでケアマネ協会からも避難所に行って話を聞いた人がいるそうです。

日本という国は特に地震の起きやすい構造になっているので、今後も災害への備えは欠かせません。

土木学会から南海トラフ地震を何の対策もなしに受けてしまうと日本はアジア最貧国に転落しかねないと危惧する声が上がっていることを重く受け止めるべきだと思います。

脆弱性への対策を事前にしっかり行っておくと被害を大幅に減らすことができるとのことでもはや一刻の猶予もないかと思われます。

しかし、ここまで地震の脅威が迫っていてもまだ「無駄ではないのか」などと言う声が上がってくるのがこの国です。

この無駄という言葉こそが厄介で、無駄の削減の名のもとに日本では長くあらゆる分野でも支出が削減されてきました。

私はこの無駄の削減こそが日本の低迷の主因だと考えています。

例えば道路を作ったとして、そこが緩やかに道路が流れていたとしたら無駄だと言う。
しかし、道路がパンパンになっていればいいのでしょうか?余裕がなければ何かあったときに大渋滞してしまいます。

例え普段使うことがなかったとしても、何かあった時に使うかもしれないという判断があってしかるべきではないでしょうか?

今回の地震では余震への警戒から非常食を買いに出た人が多かったですが、お店からあらゆるものが消えてしまうような事態にはなりませんでした。ある程度の在庫を店舗が放出したためですが、こういう時に役立つストックまで「無駄」と言ってしまっては災害や非常時に脆弱になるだけだと思います。

まあもっとも 、第2名神高速道路や外環道のような明らかに平時から役立つものを「無駄」とか言ってしまうどうしようもない連中もいるので話になりませんが。

平時の効率性ばかりでなく、日頃からある程度の余裕を持たせておくことは有事に際して極めて重要だと思います。



2018年6月14日 (木)

決してクリエイティブではございませんが

私はケアマネジャーという仕事をしています。

略してケアマネというこのお仕事ですが、仕事を人に説明するときに「ああ、ケアマネさんなんですね」とすでに知っておられる方も多いです。

介護を受けるためには、要介護認定を受ける必要があるのですが、要介護ないし要支援認定された人の担当になってケアプランを作るのがケアマネの仕事です。

1人のケアマネでだいたい30~40人くらいの方の担当をします。ケアマネがプランを作らないと要介護認定を受けても介護サービスを利用することはできないので、ケアマネは介護保険制度の要と言ってもいいでしょう。

要介護になった人でも、認知症になった人、骨折して寝たきりになった人、閉じ籠りで虚弱になった人(フレイルと言います)、要介護になる原因はそれぞれです。生活に対する考え方、家族の希望いろいろなニーズがあります。

それを介護保険サービスを使ってどう生活の室を上げていくのか、ケアマネはよりよいケアプランを立ててニーズを充足することをめ目指します。私にとってはやりがいのある仕事です。

ひとりひとり違うので、同じ認知症でも同じアプローチをするわけではありません。個別に援助するのが原則です。

そしてケアマネだけでは何もできません例えば独居で変形性膝間接症になってしまって歩くのが困難になった人には福祉用具を手配して手すりを着けたり買い物をヘルパーに依頼したりと調整する必要があります。
ここで福祉用具業者やヘルパー事業所に来てもらわないといけないので、いろんな種類のサービス事業所にケアマネも要介護者も助けてもらってるわけですよね。ありがたいことだと思います。

人によっては家で入浴するのは難しいとのことで通所介護なども利用されます。そして全ての事業所が参加してのサービス担当者会議等を経てサービスが提供されていきます。

この過程はなかなか難しく、人間を相手にしたサービスの提供の難しさを感じます。それは通所施設などで要介護者を受け入れる場合も試行錯誤があるでしょう。

一筋縄ではいかない難しさ、対人援助技術の駆使など介護職には高い専門性は求められています。

そして現実の介護の仕事はすごく地味だったりします。通所施設内の中で転倒しないように歩行介助したり、排泄や入浴の介助をしたり、福祉用具の業者は車椅子を持っていってメンテナンスしたり、ひとつひとつはとても地味なことが多いかと思います。


ここで「介護はクリエイティブな仕事だ!」などとさかんに言ってる人が最近いるようです。

私にはクリエイティブな要素を感じることはあまりありません。個別のニーズにいろいろアプローチを考えますが、そんなのは仕事をしていれば当然のことです。

そもそもリーダーなり施設の管理者になれば自分の考えでアイデアがあれば実行出きるのではないのでしょうか。

たとえやることがオムツ交換だけとかリハビリの提供だけだったりして、現実にやっている介護は地味に見えることが圧倒的に多いと思いますが、私は介護はそれでかまわないと思います。

クリエイティブであることに、なんの意味が?
要介護者の人が必要としているニーズを充足できて、安心安全な介護を受けること。まずそれが基本前提なのではないでしょうか?

介護はクリエイティブだとかクリエイティブじゃないとかよりも、安定した質のサービスが提供されることが大事です。

世の中の医療や福祉がなければ、国が根幹を失います。介護職はたとえクリエイティブでなくても、自信を持ってサービスを提供すればいいと思います。

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道路を作っている建設や、行政サービスを提供する公務員は地味ですよね。

でもそういう地味なおかげで世の中回っているので、私は今後もクリエイティブであることを目指しません。地味に個別のケースに対応できるケアマネを目指します。

2018年6月10日 (日)

世に訴えかけたワクチン活動家

反ワクチン運動の真実 死に至る選択 [ ポール・オフィット ]

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『反ワクチン運動の真実』は欧米における反ワクチン運動と医療との戦いをあらかた網羅した本です。

そもそも予防接種は天然痘に対してジェンナーという医師が牛の乳しぼりをしている人から牛痘にかかった人は天然痘にかからないという話を聞いたことから、種痘で免疫をつける方法を開発したというところから歴史が始まります。

まあこのジェンナーという人も身内を実験台に使ったりだいぶ変わった人だったみたいですが。

とにかくこの種痘というのも普及し始めはだいぶ大変だったみたいです。
牛の牛痘からワクチンを作るので、「種痘を打ったら体が牛になる」などと言っていた連中がいるそうです。

いつの時代もおかしな人はいるものですね。

もっとも昔の医療は手術の時も消毒しなかったし病気になったらとにかく寫血(体を切って血を出す治療)していたので、問題も多かったわけですが。

何はともあれ人類は種痘を確立することで天然痘を撲滅させたわけです。

まあワクチン普及も紆余曲折があり、村中璃子氏も「新しいワクチンが開発されると絶対に反対する人が出てくる」と反ワクチン運動について言及していました。

日本ではあまり言われないですが欧米ではワクチンによって自閉症になるなどという捏造論文を書いた医師のせいで百日咳や麻疹などの接種率が低下して救えたはずの命が救えなかったという悲劇が何度も起こっているそうです。

毎回テレビに出てきてワクチンの危険を煽り、糖尿病などの慢性疾患になるだとか自閉症になるだとか執拗なまでに繰り返している人がいて、人々に恐怖を与えています。

そんな中、世の中に貢献したワクチン活動家も存在します。

ジョン・サラモネという人です。
彼は大学で政治とジャーナリズムについて学び、政府職員としてのキャリアもありました。
そんなサラモネと息子のデイビッドを悲劇が襲ったのは1990年のことでした。

ワシントン郊外の病院でいくつかのワクチンを接種したデイビッドは、2週間後に体に異変が表れます。

寝返りがうてなくなり、そのまま両足が動かなくなってしまいます。

病院で検査を受けるものの原因が特定できず、右足に麻痺が残ってしまいます。

その後のさらに詳しい検査で、デイビッドは生まれつき免疫の弱い先天性免疫異常であり、その状態で経口ポリオワクチンを接種してしまったためにポリオワクチンによる麻痺が残ったことが判明したのです。

当時、スウェーデン、フィンランド、カナダなどではより安全性の高い不活化ワクチンが使用されており、副作用のリスクを抑えながらポリオを撲滅させていたのですがアメリカではまれに危険な副作用のある経口ワクチンが使われていたのでした。

ワクチンについて事前に聞かされていなかったサラモネはそのことや医師への憤りはあったものの、事実を知り同じような目にあう子供をなくすべく活動を開始します。

彼がしたことは予防接種実施諮問委員会の説得と、米国小児科医師会へのブース出展でした。こうしてサラモネは関係機関への説得を続け、ポリオの予防は経口ワクチンよりも不活化ワクチンを使用した方が安全であるとデータに基づき主張し続けたのでした。

サラモネの活動は、当初は世間や議員からもあまり相手にされなかったのですが、ワシントンポストがサラモネの活動を取り上げたことにより注目を浴びることになったのです。

こうして1998年に予防接種実施諮問委員会は不活化ワクチンを採用したので、弱毒化生ワクチンを原因とする麻痺は無くなりました。

ポリオを予防するためならまれに麻痺を起こす子供がいても仕方がないかのように考えていた政治家達も、サラモネの地道な活動には耳を傾けたのです。

こうした『ワクチン安全活動家』の功績は多大なものがあります。地道な対話やデータに基づく主張が結実したのであって、これはいたずらに不安を煽り、データを無視し、医療者やワクチンを受けさせようとする親を攻撃する反ワクチン活動家とは対照的なものがありますね。



日本でも反ワクチン活動家の悪質さはアメリカには負けていません。

またホメオパシーなる民間療法を信奉する団体は日本にもいて、ワクチンで自閉症になるなどという使い古されたデマを今でも垂れ流しています。

以前の記事でも上げましたが、こうした状況は医療従事者が地道に説得したり、メディアを見方につけないとなかなか打破できないでしょう。

すでに子宮頚がんワクチンについてはメリットを積極的に告知していくという医療機関も出て来ましたので、状況の好転を祈ります。

2018年6月 7日 (木)

言語が失われゆく世界

オランダの大学で英語による講義が少なくなっているそうです。講師や学生がこの状況に危機感を持ち警鐘をならしているとのことですが、この流れは簡単に止まるのでしょうか?

なぜ英語化の流れに反対するのかというと、オランダでオランダ語が高等教育に使われないなどとなれば、子供たちは英語しか学びたがらなくなる可能性があります。高等教育に使うオランダ語というものがなくなってくると、やがてオランダ語の文法や表現も簡素化し、より言語としての魅力はなくなってきます。言語の消滅とは意外にあっさりと進んでしまうものなのです。

現在、アイルランドには30万人のアイルランド語話者がいますが、この言語も消滅の危機に瀕しているそうです。政府はアイルランド語を学校の公用語に指定し、学校ではアイルランド語を使用するように協力に後押しするようにしているのですが、アイルランド語の使用機会の現象を止められていません。アイルランド人はアイルランド語を自然と使わなくなり英語話者が増加しています。

このように言語消滅とは世界のあちこちで起こっているので続く1世紀の間に数百言語を残して後の言語は全て消滅してしまうのではないかと考えている学者もいます。

ここ最近でも顕著に消滅が進んだのが20あったイヌイットの言語で、どの言語も数百人程度の話者がいましたが数十年の間に高齢者しかその言語を使わなくなり、彼らの子供たちはみんな英語を使っているというありさまでした。

子供たちは自発的に多数派の言語を学ぼうとするのです。

他にも、ポーランド、エチオピア、メキシコ、韓国等からアメリカに移住してきた家族などにもこの傾向があるのです。両親が韓国語を話していても子供に英語を学ばせようとしますし、子供たちも英語しか勉強しないといった具合にどんどん吸収されていってしまいます。

韓国ではそもそも高等教育では英語を使う傾向があるので、富裕層は子供を英語圏に留学させて英語を学ばせようとする努力をします。
こうすることでお金のある層しか教育にアクセスできないという歪な状況になっていくのですが…

日本でも大学での教育の英語化を進めようとする動きがかなり強いですが、そんなことでこの国の言語をしっかり守っていけるでしょうか?



世界で使用されている言語の数は7000あります。
その多くは文字を持っていなかったり話者が少なかったりなのですがその言語なりの文化を内包しています。
世界で最も使われている言語を7つ挙げると、最も使われているのは7億人の話者を持つ北京語です。ついでスペイン語、英語、アラビア語、ヒンディー語、ベンガル語、ポルトガル語、ロシア語、日本語です。

日本語はなんとかトップ7に入っています。これらの言語は1億人以上の話者がおり、世界の80%がこの言語にアクセスできます。

ではここで挙がった日本語は安泰なのでしょうか?

日本において大学教育の英語化などというのを今まで以上に推進するなら今後はどうなるかわからないというのが正直なところでしょう。

英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる (集英社新書) [ 施光恒 ]

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高等教育に英語を使わせるなら英語ばかり勉強させようとする親もいるでしょうし、そうなると海外留学などのコストの負担できる家庭とそうでない家庭で差がついてきます。英語が苦手で高等教育の内容にアクセスできない人、できる人という分断も起こってきます。

英語が話せるか話せないかで国民が二分されるのはまるで中世ヨーロッパでラテン語を話せる層と話せない層で分断されていたのと同じです。

出版物も高度な学術書の翻訳が行われなくなる可能性もあります。
学術書は儲かるものではないですが、大学教育でテキストとして使用されるから翻訳出版という流れが今はあるのに将来どうなるかわかりません。

ゆゆしき事態になりますよね。この問題は中間層の没落させかねない、日本の更なる衰退にも関わってくる話です。

九州大学の施 光恒先生の本が詳しいです。もともと日本は明治期に外国から入ってきた言語の翻訳と土着化で日本語の語彙を飛躍的に増やしました。それが今を生きる私たちには恩恵なのです。

そもそも言葉が多くたって不便なだけじゃないか、という人もいるかもしれません。しかし、言語が内包する文化と人がアクセス出来るかどうかは人間や社会のあり方に大きな影響を与えます。
ジャレド・ダイヤモンドの『昨日までの世界』下巻にはこのようにあります。
「言語的少数派のアメリカ先住民の間においても、みずからの言語や文化を維持し続けている人々がおり、それらの部族においては経済的な発展がみられ、生活保護などに頼る人々も比較的少ない傾向にある。たとえば、チェロキー語で授業が行われる学校で学び、チェロキー語と英語の二言語を話せるようになったチェロキー族の若者は、チェロキー語を話さないチェロキー族の若者よりも向学心にあふれ、高等教育を得て、仕事に就いていて、給与所得も高い傾向にある。伝統的な部族の言語と文化を学んだオーストラリアのアボリジニは、文化的に切り離されたアボリジニよりも、薬物中毒になる可能性が低い。」

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人間は環境に制約された生き物で先人から引き継いだものとどう関わるかでその存在のあり方は変わります。文化、伝統、言語は真剣に向き合わないといけない問題なのです。

人間は忘れる生き物

Twitterで介護福祉士やケアマネ試験の合否の話が出ていました。

私も介護福祉士やケアマネの試験勉強は嫌だ嫌だと思いながら受けたので皆さん大変だろうなと思います。ましてやこの資格は実務経験が必要だったりで働きながら勉強する方が多いのでなおさら大変ですね。

ケアマネは資格がないと働けませんし、介護福祉士も資格があるかどうかで収入が変わります。社会福祉士や精神保健福祉士なども同様ですが試験も年に1回しかありませんし、できれば何回も受けずに合格しておきたいですよね。

私は試験になんとか1回で合格してきましたが合格のためにはやはり入念な準備、試験勉強が不可欠であると強く思います。

基本的に勉強は勉強時間×勉強の質
ある程度の勉強量を確保すれば合格できるように作られています。

たまにケアマネ試験に引っかけ問題が出たなどと言う人がいますが理解に苦しみます。

試験は知識のある人が得点できるように作られています。引っかけ問題を設ける意味はありません。知識が不足していたので対応できなかっただけと思います。

私的におすすめできない、やってはいけない勉強方を敢えて挙げるなら「ノートまとめ」です。ケアマネ試験も介護福祉士も社会福祉士も試験範囲が広すぎてノートをまとめている相田にポロポロ記憶が抜けていくことが多い。時間ばかりかかって得るもののない勉強方だと言えるでしょう。

またテキスト中心に勉強するのもおすすめはできません。基本的にテキストは細かく書いてありますが、その知識を全て使うことはありません。テキストだけを見ているとどこが重要ポイントかもわからず、あまりの情報量の前にやる気を失って終わるのが落ちです。

逆にどんな勉強方がおすすめかというと、「問題集の繰り返し」です。過去5年間の問題集と模擬試験問題5回分、これだけを反復するだけで本来は合格できる実力はついてきます。

なぜ問題集を繰り返すのがいいかと言うと、試験において重要なポイントはどこか理解するためと人間は間違えた時に記憶を定着させようとするからです。

まずは1回分の試験問題を解いて答合わせ。間違えたところは印をつけ解説をよく読みます。基本的にこの繰り返しです。間違えなくなるまで問題集を繰り返していれば自然と力がついてきます。

ここで1つ大事なことは 試験勉強に王道はありません単純な問題集の繰り返しで、勉強量を確保すること以外は考える必要がありません。たまに一発逆転で短時間でひっくり返そうとする人がいますがそんな都合のいい話はないと思ってください。

人間は忘れる生き物であることも理解しておかないといけません。一度やった問題でもしばらくすればまた忘れます。ありがちなのが何回も同じ間違いをしたり何回読んでも覚えられなくて自信を喪失する人がいるのですがそこで自分を責める必要はないのです。

何回もやればいつの間にか気づかないうちに覚えていたりするのです。繰り返しやってやっと覚えるように人間の頭はできているんだと思ってください。

試験問題全体でも、ある一定のところまでは模擬試験の点数が伸びず悶々とする時期があるのですが、どこか一定のところで急に壁を突き破り点数が一気に伸びるポイントがあるものです。人によってその地点に到達する時期にばらつきがあるのですが、学習とはそういうものです。

私も経済について勉強していても全然身に付かないと思っていた時期がありましたが、ある一定のところから急に知識のアウトプットができるようになって知らないうちにこんなに知識がついたのかと驚いたことがあります。

ケアマネ試験の合格に必要な勉強時間の目安は350時間くらいだと思います。そんなにやる気が出ない人でもまずは一問一答からでもやっておいた方がいいでしょう。ただし、あまり自分を責めないことです。忘れることで悩んだって仕方がありませんからね。



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しいて言うならテキストは買わなくていいので問題集以外ではこれくらいのまとまったので十分です。
問題集を解いてみて同じような問題が何回も出てきてこれは覚えないといけないと思ったらここから丸暗記してみてください。

丸暗記も実は考えるためのベースになるのでそこから思考は広がります。

2018年5月20日 (日)

ケアマネの更新研修と資質向上の話

私は今、ケアマネの更新研修を受講しています。

要介護なった人が介護保険サービスを利用する際はケアマネの資格を持った人にケアプランを作成してもらわないといけません。

ケアマネは介護保険を申請するところから代行してくれるので、介護保険サービスを利用したい人はケアマネのいる居宅介護支援事業所もしくは地域の地域包括支援センターに行って下さい。

このケアマネなのですが、なるのは非常に厳しい(めんどくさい)過程を経なければならず、まず介護福祉士などの国家資格を有した状態で5年間も介護現場での実務経験をしなければ試験資格が取れません。

試験資格を取ったら、年に1回しかない介護支援専門員更新受講試験というのを受けます。いわゆるケアマネ試験というのはやつです。合格率は15%前後くらい(といっても問題はそれほど難しいわけではありません。ちゃんと勉強していれば合格できます。)この試験を受けてはじめてケアマネ研修を受講できるので、受講終了してやっとケアマネとして都道府県に登録できるのです。

そしてようやく実務に従事して…となればこれで終わりではありません。5年に1回ケアマネ資格を更新しなければなりません。更新しなければ働けなくなります。更新のためには更新研修を受講して…私は今、この段階です。

はじめての更新の時は専門研修課程1と専門研修課程2を受けなければいけないので、計7万くらい費用がかかります。事業所は出してくれないので自腹です。(出してくれる事業所もあると思います。というか出せ。)

合計20日くらいの時間と7万の費用を払って、ようやくケアマネとして働き続けることができるのですね…

聞けば人材不足に喘いでいる事業所もいるとのことです。ケアマネ資格保持者は少なくないと思うのですが、ちゃんとした能力や見識のある人となると少ないのでしょうね。資格を取るためのハードルが無駄に高く、挙げ句待遇も悪いとなれば人材の質が下がるのは当然のことです。不思議とこの常識が通用しない人がいるのですが、まあそれは別の話。

そして私の事業所では更新研修の内容そのものに対する不満も聞かれます。
10日前後の研修があるのですが、講師の話を全体で聞くのが3割くらい。後の7割は8人くらいのグループに振り分けされて事例を提示され、この事例ならどういうアプローチをするのかグループワークをします。
事例についてグループであれやこれやと意見を言って、自分とは違う視点からの意見を聞いて参考になることもなくはないのですが、結局グループとして迷いながら意見を出しただけで終わってしまうことが少なくありません。

こういった場合はどういうアプローチが有効なのか、というのは講師から出ることがありません。グループで悩んで終わっただけ、という場合もあります。

参加者から不満が出てもしょうがないですね。お金を払ってくだらない内容の研修なら腹がたちます。

またグループの参加者のレベルが低すぎて、議論の質を低下させてしまう場合もあります。

以前のグループワークでケアプランを作成する課題を与えられました。手すりの設置をプランに入れようということで私は「このような短期目標でどうでしょうか?」と文章案を提示して課題をさくさく進めようとしたのですが、高齢のグループメンバーが「いやいやこういう文章の方が~」などと口を挟み、持論をダラダラ述べはじめ話が先に進まなくなりました。結局課題は先に進まず未完成… 。せっかく有意義にしようとしてもぶち壊されてしまいます。参加者自身に問題がある場合も少ないとは言い切れないのではないでしょうか?

私はケアマネとして仕事をするにあたり、自己学習による自己研鑽は欠かせないものと考えます。
ケアマネ研修だけが学習の機会ではない。グループワークで内容が乏しい、陳腐だと言うなら、日頃からの研鑽の内容をグループワークで披露できるようにしておくという対処の仕方だってあると思います(それでも質の低い参加者にぶち壊されてしまう可能性はなくはないですが)。

またやはり講義のあり方も考えて欲しい。自治体が関わる研修なので人材育成がちゃんと出来るよう、各分野の抜きん出た人材の意見も聞けるように、内容を充実させて欲しい。

そして大事なことはケアマネの質を上げるには、待遇改善が不可欠であろうということ。報酬を上げてもらえるのであればモチベーションも上がります。財源はどうするんだとか、国家財政がとか、クニノシャッキンガーとか言う人がいますが、まあそういう人は安藤先生の提言を聞いて勉強してください。





2017年2月 2日 (木)

ニセ科学・ニセ医療は人を殺す

Twiiterでおかしな発言をする医師に注目が集まっていました。

内海聡という悪質な医師です。



特にこの発言のどこがどうおかしいのかの説明は不要だと思います。「甲殻類アレルギーの人は自分の殻に閉じこもっている人だ」などと言われても普通の人は信じませんよね。

問題は、この医師が日ごろから間違った医療知識を垂れ流しあろうことか本まで出版していることです。

「輸血は受けてはいけない」だとか「薬は飲んではいけない」だとか通常の医療を否定するような本を出してお金を稼いでいる人です。本が出るということは買う人が一定数いるということですね。

極めつけは「障害のある子供を産んだ親は反省しろ」などとわけのわからないことを言っていたことです。



ただでさえ障害を持つ子供を産んだ親御さんは自分を責めることもあると聞きます。内海聡はこんな間違った情報で人を侮辱して人間性を疑います。添加物もワクチンもない時代から障害を持つ人は産まれています。

「内海氏の一連の投稿に、反発は広がる一方だ。サイエンスライターの片瀬久美子氏はツイッターで、

「自然出産で健常児を産んだ人たちには自分たちへの肯定となるだろうけれど、そうではない人たちにとっては呪縛でしかないですよね。どちらも親の不摂生とは無関係に起きます」
と指摘。」

しかもその後に内海聡に抗議した人とのやりとりがまた酷かったです。

暴言のオンパレードといった感じで、この人の言うことを信用する人がいるというのが私にはもう信じられません。

ちなみにこの内海聡は1回の診察で3万円もとるのだとか。こんな人物が医師免許を持っていていいのでしょうか?

なんと言っても一番の問題は、こうしたおかしな医師の言うことを信じてしまって、薬を使うなどの通常の医療を拒否してしまう人がいることです。こういうデマは人を殺します。

あろうことか、政治家の中にも内海聡を肯定してしまう人がいます。

山本太郎と三宅洋平です。この人達は福島県に対しても差別的な発言を繰り返し、普通に生活しているだけの人達を侮辱しています。内海聡はこういう差別的な連中と親和性が高いのでしょう。というか内海聡が差別主義者だし。

こういう医療デマ情報を信じ込んでしまう人はどうしても一定数いるのですが、どうか正しい情報が少しでも広がって騙される人が少なくなって欲しいと思います。

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