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インフラ・国土強靭化

2017年4月 1日 (土)

地道な投資が都市の魅力を高める



京都大学藤井教授が、京都でLRTの整備について講演をされたとのことです。LRTと言えば路面電車のことですが、これは都市の魅力を高める重要な提案であると思います。

日本人はインフラ整備をなめていて「日本にもう道路はいらない」などとあまりにも勘違いをした意見を平然と言う人がいます。しかし、現実には日本の道路の延長は自動車1万台あたりで比較するとあまりにも貧弱な水準でしかありません。和歌山や宮崎など、高速道路の整備ができていない地域がありそうしたところでの経済の疲弊はあまりにも悲惨なものがあります。

都市部ではもう道路整備やインフラは十分であると感じている人は多いかもしれませんが、日本の都市部のインフラの充実度は、実はまだ十分ではないのです。都市の魅力を高めるための投資が十分にされているとは言えないのです。

ヨーロッパの都市と日本の都市では、街づくりにおいて大きく異なっている点があります。

それは、ヨーロッパの都市では、都心への車の流入を徹底的に減らし、日本ではほぼ無制限に車を流入させていたという点です。

車を街から締め出したヨーロッパの都市では、道路は車のためのものではありません。道路は歩行者が歩くスペースが広くとられ、オープンテラスなども充実し路面電車で人々はどこへでもすぐに移動ができます。快適で過ごしやすい空間が充実しているのです。

対して日本の都市では地下鉄などもありますが、都心には車が流入し続けあちこちで渋滞が起こり、人々は狭い歩道を歩く羽目になっているのです。

車の流入を制限するかどうかで都市の魅力に大きな差が生まれています。車が流入し続けると、車道のみならず駐車場なども都心に整備していかなければならないのがネックになるのです。

しかし、車の流入を制限するということは、街に人が来ないということではないかと思われた人がいるかもしれませんが、そうではありません。

ヨーロッパでは、都市の周辺に環状道路を整備してきました。こうした環状道路があれば、ただ単にその街を通り過ぎていくだけの車を減らすことができます。大阪や東京でも、街を走っている車の1割から2割はその街に来る目的があって走っている車ではなく、目的地への移動のためにただそこを通り過ぎている「通過交通」というものだそうです。環状道路の整備によってこれが減らせます。

そうして、ヨーロッパではこうした環状道路とセットで「フリンジパーキング」という大規模駐車場を作りました。こうすることで郊外からやってきた車をここで受け止め、あとはフリンジパーキングから鉄道やLRT,地下鉄などが街の中心部に延びていくようにしたのです。

こうしてヨーロッパの街では中心部には無駄な車が走らず、無機質なアスファルトで舗装された道路ばかりでなく石畳の道路などもあり、人々が過ごしやすい空間へと、何年もの投資によって変わっていきました。

車が我が物顔で走りまわっている日本の大都市とは快適さに大きな差があります。ロンドンなどイギリスの主要な都市でも「脱クルマ」」を掲げて公共交通の充実と車社会からの転換を図っているそうです。車に依存すると都市の魅力が損なわれることは明白です。

日本でも北陸の新幹線整備などとも関連して富山でもLRTが進められてきました。他の都市でも都市交通を見直す余地は十分にあると思います。

日本が地道なインフラ整備を怠ってきたツケがこのようなところにもあらわれていると思います。まだまだインフラ整備が不十分であることを認識して、前向きな都市計画を進めていくことが重要です。

2017年3月30日 (木)

再生可能エネルギーが自然を蝕む

再生可能エネルギーのまやかしという記事で、実は日本は再生可能エネルギーが充実していることを書きました。いまだに現実をみない脱原発再エネ推進論者は「日本は再生可能エネルギーに力をいれていないからもっと推進するべき」などと言いますが、日本の再生可能エネルギーの発電容量を見れば日本が再エネに力を入れていないなどはあまりに見当はずれな意見だとすぐにわかります。

日本はすでに再生可能エネルギー大国です。しかも、再生可能エネルギーをまださらに無理に推進しようとしている現実があります。そのことが日本に大きな問題をもたらしつつあるように感じます。



山を削ったり池を埋め立てて太陽光パネルが敷設され環境が、大きく破壊されるということが現実に起こっています。太陽光パネルを敷き詰めたメガソーラー発電所などを建設するとして、火力発電所と同じ発電量を得ようとすると千倍以上の面積が必要となります。太陽光パネルを敷いたところには当然植物も生えられないわけで、大きな環境破壊問題が発生するのです。

植生が失われて何が問題なのかひょっとしてわからない人がいるかもしれませんが、地球上で植物が大きな役割を果たしているのを理解しなければならないでしょう。人間の文明社会は化石燃料などを使い大気中に多くの汚染物質を放出していますが、そうした物質を太陽光のエネルギーを使い浄化してくれているのが植物なのです。

また森林などは地形の温度変化を抑える働きがあります。日本とサハラ砂漠北部はほぼ同緯度にありますが、気温は圧倒的にサハラ砂漠の方が高いです。なぜこうした違いがあるかというと、日本の地形にある森林などが大きな保水機能や温度の激変緩和機能を有しているからなのです。

日本で太陽光のエネルギーを今以上に得ようとすれば、大規模な自然破壊は免れないでしょう。

ならば風力発電があるじゃないかと言う人もいるかもしれませんが、そういう人も現実を見ているとは言えません。日本で風力発電を大規模に導入するとするならば、地形的な条件から適した土地は東北北部や北海道の海岸地帯くらいしかありません。しかし、そこから東京や仙台などの需要のある地域まで送電しようとすれば数百から千キロメートルもの大送電網を建設する必要があります。当然森林なども伐採することになるのです。

じっさいに風力を大規模に導入したドイツなどでも、安定的に風力を得られる北部沿岸部に発電設備を作ったものの、南部の需要のある地域までの送電網整備をせまられていますが、その送電網の整備も建設予定地の地元住民の反対でなかなか進んでいません。このままではいずれドイツ南部、西部で大停電が起きるのではないかと危険視されています。

再生可能エネルギーを普及させればいいんだと脱原発論者は安易に口にする傾向がありますが、普及が一筋縄に進むはずがないのです。しかも「再生可能エネルギーはエコ」などと口にする連中もいますがあまりにも現実を見ていないとしかいいようがありません。人間がエネルギーを利用しようとすれば、必ず環境破壊が起こります。それを忘れてはいけないと思います。


2017年3月 5日 (日)

水道事業の運営権譲渡による民間活用について

大阪自民党の川嶋市議のFacebookからシェアします。



「水道事業の運営権譲渡(コンセッション方式)による民間活用について。①
 
大阪市の水道事業に関して、改正PFI法に基づいた運営権譲渡(コンセッション)方式の導入の議案が出されていますが、現在、継続審議中となっています。
 
国においては、この件は内閣府で議論されてきましたが、今、厚生労働省において「水道法」の改正が検討されています。常識的に考えて、市会の議論は、国の法律改正を踏まえてから、議論をすべきものであり、今回の予算市会において結論が出されるものではないと「個人的」に考えています。
 
そもそも、改正PFI法に基づくコンセッション方式に関しては、内閣府において議論が先行していました。内閣府では、ホームページを見て頂くと分かるように政策に関しては、「経済財政」の項目の中の「民間資金等活用事業(PFI)」の項目の中にあるということで、あくまでも「経済」の視点での議論でした。
http://www.cao.go.jp/seisaku/seisaku.html
 
その中で、平成26年5月19日の第5回経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議で竹中平蔵委員から出された資料「コンセッション制度の利活用を通じた成長戦略の加速」において、下記の通り上下水道等へのコンセッションの導入を前倒しにする目標が提案され、その方向で進んできました。
http://www.kantei.go.jp/…/…/skkkaigi/goudou/dai5/siryou8.pdf
 
-------------------
●「運営権に関する 10 年間の数値目標の 3 年間での前倒し実現」と「数値目標の内訳となる省庁別案件数目標の設定」を通じた運営権導入の加速化
○平成 26年 4月から向こう 3年間を集中強化期間とし、国土交通省及び厚生労働省の担当部局 (以下「重点分野を所管する省庁」という。)は、当該期間に実施する案件について数値目標(中期目標)を設定する。
○数値目標の内容は、少なくとも、国土交通省(空港)6 件、国土交通省(下水道)6 件、国 土交通省(有料道路)1件、厚生労働省(水道)6件 とし、これら 4分野の目標のうち地方公 共団体分に相当する 15 件 2については、地方制度を所管する総務省もその目標の達成に協力する。
○内閣府の数値目標として、上記案件で行われる 投資金額の合計 3を集中強化期間で2~3兆円とし、平成 34 年度までの目標を前倒しで達成できることを目標とする。
----------------
 
そのような中で、ここにきて、厚生労働省が法改正を進めるということで、「規制行政」側がやっと動いたということです。
 
私は、改正PFI法に基づく運営権譲渡に関しては、前向きに検討したい思いを持っていますが、しかし「いのちの水」ですので、やはり「公的関与」が必要だとも考えています。今回は規制行政側の厚生労働省の「公的関与」がどのようなものになるのか、しっかりと見極めたうえで、判断すべきと考えています。
 
縷々申し上げましたが、個人的にはこの予算市会の中で「可決」ということは、まだ難しいと思っています。
 
さて、議会が判断しないなら、行政側というか、それこそ知事や市長が政治的な判断をするかの如くの動きがあるとの情報もあります。
 
例えば、議会が予算市会で「可決」されなかったら(「継続審査」となったら)、市長は議案(条例案)を「議会が判断しないから民営化はしない。あらためて府との統合に舵を切り直す。」と言い出して議案を取り下げる可能性があるのではないかと思います。ついでに「自民党は何も決めれないんですよ!」という言葉も付け加えて。
 
そこで、例えば、議会の審議が「継続審議」となって市長サイドが議案を取り下げた場合、新たな案として「水道の府市統合」を言い出し、堺市長選で、「竹山市長では府域一水道はできない、大阪府が主導して進める。」と争点化されるでしょう。
 
次に、もう一方の選択肢として、例えば、議会で議案が「賛成」された場合には、「大阪市はコンセッション」となるので、堺市長選で、「竹山市長の主張する府域一水道は大阪市がコンセッションとなった以上、実現できない。企業団もコンセッションに移行すべき。」と争点化するでしょう。
 
いずれにしても、維新は堺市長選で争点化するでしょうから、いずれの場合のことも想定しておかなければなりません。
 
我々は、常に「政策」で判断したいのですが、彼らは「政局」ばかり考えられるので、改革を真面目に進めることができず、悩ましい限りです。」

2017年2月10日 (金)

四国新幹線は確かな効果が見込まれる

藤井聡氏が高松で四国新幹線の整備について講演を行ったとのことです。フェイスブックよりシェアします。



「昨日、高松での四国新幹線のシンポジウムでお話をしました。
参加者はなんと1400人。
函館まで新幹線がつながった今、「新幹線が開通していない唯一の地方」である四国にはいま、新幹線を熱望する機運がかつてないほど高まっていることをヒシヒシと感じました。
四国を本当に復活させるためにも、これを絶対に、夢で終わらせてはなりません。
そのためにも、その「合理性」を一人でも多くの国民が理解することが大切だと、考えます。」

西日本放送より
「四国新幹線の実現に向けて地域全体で気運を高めようと、シンポジウムがきょう高松市で開かれました。
サンポート高松で開かれたシンポジウムでは、京都大学大学院の藤井聡教授のほか、四国経済連合会の千葉昭会長や高松市の大西市長も参加して、パネルディスカッションが行われました。
四国新幹線およそ302キロが整備されると高松と松山間は42分、高松と高知間は36分で結ばれるメリットがあるという事です。
さらに、交流人口の拡大などから経済波及効果は年間169億円と推計されています。
整備にはおよそ1兆5700億円の巨額の事業費が必要と言う事ですが、パネリストからは整備計画がないのは全国で四国だけとの意見が相次ぎ、地元から熱意を盛り上げる必要性を訴えました。」

四国新幹線建設の事業費は1兆5700億円ですが、それを上回便益が見込まれているという記事が紹介されていますね。この費用便益分析は四国4県とJR四国が行った試算ですが、その試算には現実にはあり得ない想定を用いているそうです。
試算では「金利を4%として計算する」という著しく現実と解離した想定に基づいています。この超絶低金利のご時世に、こんな高い金利想定はありえません。現在のほぼ0金利の想定で考えると、費用はさらに抑制されることになります。
さらに便益の計算の中には産業の発展や四国の人口増加という当然見込まれる経済効果は含まれていません。
すなわち現在示されている費用便益分析の試算というのは非常に厳しく想定を用いた上でなお便益が費用を上回るとされているので、九州新幹線や北陸新幹線がそうであったように、開業が実現すれば想定を遥かに上回る効果を地域にもたらす可能性が極めて高いと言えるのではないでしょうか。

北海道新幹線も想定を上回る効果が既に出ているとのこと。

新幹線を整備するにあたっては、どれも事前に厳しい想定でシュミレーションをするので、実際に開業すると事前の予想以上の効果が出てくるものなのです。毎回、どことは言いませんが一部のメディアが「ちゃんと事業効果を検証したのか疑問だ」とケチをつけてくるのですが、はっきり言っていちゃもです。

九州新幹線も事前に「空気を運ぶ新幹線になるのではないか」と一部メディアが書いていましたが、開業すると大きな効果をもたらし九州全体の活性化に寄与しています。にもかかわらずメディアが「無計画に新幹線整備をしようとしている」かのような印象操作が目的としか思えない記事を書くのはもはやお約束ですね。

四国の新幹線は、かなり以前に新幹線の整備計画で建設が議論されていながら、少しも具体的に話が進んでいません。四国経済活性化のために、新幹線整備の具体的議論をしてほしいと思います。